瑞穂のしずく 新酒発表会
今年も早いもので2月も終わり、3月になりました。
と、いうことは…。
そうです!新酒の時期なのです!
ワインの場合、その年に収穫されたブドウを使って作ったものを「ヌーボー」と言いますね。日本酒の場合は原料が米ですから、秋に収穫して冬に仕込み、年を越してできあがった今が「ヌーボー」の時期、と言っていいのではないでしょうか。つまり、今が日本酒の今年最初のお披露目の時期なのです。
今回は2月23日に江別市民会館で行われた「瑞穂のしずく」の新酒発表会にお邪魔しました!(江別市の農業振興課に事前申し込みが必要。参加費1500円。)
お米の話。
こちらが、新酒発表会のパンフレット表紙。この催しは「江別の米で酒を造ろう会」という団体が主催して行われています。おそらく、市の生産者の方や農政に携わっている方が中心となって立ち上げているものだと思われます。
なんといっても、
「江別産米100%」!
地元民としては嬉しい限り!
使っているお米は、酒米の「彗星」。今までは食用の「きらら397」を使っていたそうですが、酒米に切り替えて味わいもグッと増したとの事。
「彗星」というと道外の方には馴染みのない品種だと思います。北海道で作られている酒米は「吟風」「彗星」「きたくりん」の3種類。酒米としてメジャーな「山田錦」や「五百万石」は生産されていないようです。多くの農産物と同じく、品種に適した気候があるんですね。
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いよいよ会場入りです。
会場は立食パーティー形式。
各テーブルには、このようにぐい呑みと新酒が!期待が高まります。
開会時には人でいっぱいになりました。1テーブルに20人ほどはいたと思うので、200人以上が集まる熱いイベントでした。(この画像のみ加工しています)
お酒だけではありません。センターテーブルに並ぶのは地場産の農産物で作られた料理の数々。もう美味しくないわけがない!これをアテにお酒が飲めるなんて、最高です。
私は手前に写っている「キタアカリのフライドポテト」を真っ先にいただきました。キリッと冷えた新酒にホクホクの食感がたまりません。
〆までバッチリ。デザートだけでなく、日本酒を使ったカクテルコーナーもありました。新酒発表会でありながら、日本酒が苦手な人でも楽しめます。これで1500円は安い!
お酒の話。
さて、この会で提供していただいている「瑞穂のしずく」。栗山の蔵元、小林酒造さんが作ってくれています。(小林酒造さんも、そのうちレビューしたいです。)
まずは「中汲み無濾過生原酒」。日本酒の工程には濾過と火入れというものがあるのですが、その2つの前に製品にしたものです(リンク参照)。原酒はアルコール度数が高めのものが多く、独特の香りが特徴です。
こちらの生原酒も、フルーティな香りとさっぱりした飲み口。舌にプチっとくる微発泡感もあり、ワイングラスでじっくり楽しみたい味に仕上がっています。和食はもちろん、カプレーゼなどの前菜系洋食といっしょにいただきたいですね。
続いて「特別純米酒」。フルーティな香りはそのままに、火入れにより飲み口はさらにマイルドに仕上がっています。飲み飽きない、でも味わいはしっかり残すというバランスのとれたお酒です。こういう万能なお酒は、冷蔵庫に一本は入れておきたいですね。
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甘い?辛い?
ところで、テーブルを挟んで向かいにいたお客様が、この無濾過生原酒を飲んで、
「甘いねー。美味しい!」
とおっしゃっていました。
んー、私は「辛口」だと思ったんだけどな…。
日本酒には「日本酒度」という味わいの尺度があります。居酒屋のメニューなどで+(プラス)やー(マイナス)の数字で表されているものです。一般的にプラスが辛口、マイナスが甘口とされています。私も何本か飲むうちに、なんとなくわかるようになりましたが、文に起こすまでの知識がまだありません。
色々調べたのですが、この日本酒度を公開していないお酒も多く、瑞穂のしずくもどちらかははっきりわかりませんでした。
ここからは持論ですが、お酒の「甘い」「辛い」は感じる人によって左右されるということです。もちろん、専門家による絶対的な指標はあります。ただ、家やお店で飲む時には「甘い」「辛い」といった飲み口の表示にこだわらずに、直感的に好きか嫌いかで楽しむのが一番だと思うのです。
お酒の席だけに、
「お、これはキリッと辛口だなぁ」
「いや、これマイナスだから甘口だって」
「なに⁈どこが甘いんだよ、辛いよ!」
…なんて、蘊蓄でもめてしまっては、せっかくのお酒がもったいないですよね。